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四季中心の観劇ブログ、時々「競馬」と「デジイチ」に「関ジャニ∞」ネタ。
by piramasa
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『元禄忠臣蔵』第二部感想① 瑤泉院にそそのかされました

初芝居『オペラ座の怪人』の感想の前にためていた『元禄忠臣蔵』第二部の感想を…。
第二部って去年の11月上演、それじゃダメじゃん!(昇太師匠風に)
個人的には12月(第三部)の感想を先にアップするのもやぶさかではないが、ここは順序を追っていきたいと思います。

いえね、今テレ●東京の『瑤泉院(ようぜんいん)の陰謀』を見てまして。
第二部もちょうど今放送しているあたりと話がかぶるので、「こりゃ書いてしまわないと!」と思った次第です。ああ私もわかりやすい(笑)。
…北大路欣也と高橋英樹が同じ画面で一度に拝めるなんて、正月の時代劇はこれだから好きよ。

第二部を観たのは11月23日。祝日なのに2階・3階は空席あり。
反対に10月は最終的には全日程完売、12月に至っては11月半ばで完売。
吉右衛門と幸四郎が内蔵助だから普段歌舞伎を観ない人への訴求力が抜群なのも無理はないが、私としては「せっかくだから11月も観てみない?」と言うのが正直なところ。
この日の席は奮発して1等B席、2階6列目下手寄り、帝劇風に言うと下手サブセンター。
国立劇場のこのブロックは花道がほぼ正面に見える良席です。
もっとも11月はあまり花道を使いませんでしたがね…。

第二部の内蔵助は坂田藤十郎丈。
誰?と思った方へは前名「中村鴈治郎」さんと申し上げておきましょう。
中村玉緒さんのお兄さんと言った方が早いかな?
念のため声は似ていません。
むしろ玉緒さんの方がドスがきいてます。
それから私にとって「藤十郎」は紀伊国屋(=澤村家)のイメージが強いので、ここでは「山城屋」で話を進めます。



【伏見撞木町】
簡単に言うと内蔵助遊蕩三昧の時期の話。場所は伏見の遊郭。
男だらけの第一部とはうって変わって、だから第二部は華やかかつけだるい雰囲気で始まる。
幕が開いて数分後、下手に意味ありげに立てかけてある屏風を仲居が片づけるとその裏にはなじみの遊女浮橋にもたれた内蔵助が…、と思いねえ。
第一部の感想で「11月・12月も播磨屋(吉右衛門)が内蔵助やればいいのに」と書いた私だが、さすがにこの場面の山城屋の内蔵助には参りました。
和事でよく「じゃらじゃら」なんて言い方をするが正にそれ。
私はそんな機会に恵まれたことはないが、芸者舞妓がごく普通にいる空間ってこんな感じなのか…と、至極当然に納得してしまった。
そこへ「赤穂浅野家の本家芸州広島藩のお船奉行で、内蔵助の遠縁」と言う設定の進藤八郎右衛門が登場。
みるからに頑固じじいと言った雰囲気の彦三郎丈を観てあたしゃビックリしましたよ。大橘(十七代目羽左衛門、故人)が生き返ったかと思った。
さすがに「おとっつぁんそっくり」の大向こうはかからなかったが、心の中でかけていた人は沢山いたのでは。

ところで「伏見撞木町」は『元禄忠臣蔵』の中で内蔵助が一番悩んでいるところ。
浅野家刃傷の混乱を一時的に治めるために内匠頭の弟による御家再興を願い出たところ、風向きが変わって本当に再興の方向へ動き出した。
偽りでも自分で願い出たことを白紙に返すようなことはできない。今はただ成り行きを見守るだけ。
ここを観終わった後の感想。さしもの山城屋も、くだけた場面はさすが!の一言しか出ないが、後半揚屋の庭に出てから本心を打ち明けるところの息の変え方が今ひとつと言った方がいいか。
一番の聴かせどころ「至誠が第一、敵討は第二」、私は残念なことにグッとこなかった。
もっとも私の中で山城屋は「女形」であり「上方の和事」の第一人者、実事の役を観るのは初めてだったと言うこともあるかもしれない。
ただし第二部最後の幕「南部坂雪の別れ」は良かった。この話は一番最後に。

あと書いておくことは…、「らぶりん」こと愛之助の大石主税がどう優しく見ても15歳以上に見えるし、そして内蔵助の息子に見えなくて(個人的に)困りました。
なんかその…、内蔵助のアヤシイ恋人かい?と勘繰りたくなるような雰囲気が漂っていましてね(滝汗)。
10月・12月の主税は歳相応の役者がやっていただけに、…まあ「大人の色気」と言うことにしておこうか。

【御浜御殿綱豊卿】
私はこの場面を歌舞伎座で一度観たことがあるが、…いつ観たっけなあ?
もっともその時の記憶は、ごひいきの梅玉丈(以下「高砂屋」)が綱豊卿で富森助右衛門が天王寺屋(富十郎)だったことぐらい。
台詞巧者同士での御座の間のやりとりが大変耳に心地良かったのは覚えている。
そして今回の綱豊卿も高砂屋。わかった瞬間、「行かいでか!」と頭に血がのぼった私です。
日本史ご無沙汰の方のために注釈しますと、綱豊卿は五代将軍綱吉の甥で後の六代将軍家宣。「御浜御殿」は今の浜離宮、そしてこの日は「お浜遊び」なる年中行事の日…とは、私も筋書きで復習したこと。

それではここからは頭に血がのぼった状態で書きます。
いえね、綱豊卿が出てきた瞬間に「素敵ィ~!」(豪快に演目違い)と心の中で叫んじゃったからさ(笑)。
何故高砂屋はああまでに高貴な身分の役が似合うのかしら。しかも前月の浅野内匠頭と違い、大変おおらかな殿様でもある。

ひそかなツボその①
お伊勢参りに扮した小僧に御報謝とやらをねだられて、「銭というものを持って見たことがない」ですと。
…本当のセレブとはこう言う人のことを言います。
しかも高砂屋の綱豊卿だと、銭自体を見たことがなさそうだ。
ひそかなツボその②
御台所(奥方)から逃げてきたくせに、若い妾には甘ーーい!しかも妾に「あくびすらできない」なんてグチまで言っちゃってるし。
アタクシ、こう言う頭が良くて鷹揚でちょっとスケベなお殿様好きです。
妾にしてくださーい!(爆)
その若い妾お喜世は扇雀丈。ふっとした表情が亡くなった紀伊国屋に似ているなあと思いながら観ていた。

さて綱豊卿は赤穂浪士に対して同情的な人である。
御台所の実家(京の関白家)から浅野家再興の嘆願を頼まれているものの、本心は敵討をさせたいと思っている。
そして内蔵助の遊蕩の本当の理由を見抜いている人物。
何故なら自分も時の将軍の目をくらますためにわざと政治に背を向けているから。困ったなあ、俺…。←私の勝手なアテレコ
そんなところへ赤穂浪人の一人、お喜世の名義上の兄である富森助右衛門登場。
お浜遊びに浅野家の敵吉良上野介が来ると知り、お隙見をしたいと願い出てご対面。
この場面のやりとりが、「御浜御殿綱豊卿」最大の見せ場となるわけです。

今購入した上演台本でその見せ場場面を読み返しているが、正に「声に出して読みたい」台詞の連続が心地良い。実際役者がしゃべっているのを聞いてほしいぐらい。
富森助右衛門は翫雀丈。
実はあまり観た記憶がなかったので、失礼ながらこんなに台詞うまかったっけなあ…とちょっとビックリしてました。
まあこの役は口跡の悪い役者にふるわけはないので、いかに彼とご縁がなかったかがバレるってものですね。

台詞の心地良さはもちろん心情がこもっていてこそ。
助右衛門が綱豊卿に、「作り阿呆は六代目将軍の座を望むゆえの欺き」と挑むところからは俄然面白かった。
痛いところを突かれて一瞬カッとなるも最終的に認める綱豊卿、どこまでカッコいいのでしょう。←バカ
ところで終盤、助右衛門の「恐れながらお敷居を越えます」で笑いが起きたのには暴れたくなった。
確かにそれまでに何回か「敷居を越えろ」「越えない」との問答はあった。
でもそこは助右衛門が必死の思いで、浅野家再興の嘆願をやめるよう訴えかけようとするところなのに!
最近私はこう言う筋としても絵としても見せ場のところで暴れたくなるようで、それはちょいとついてないと思った。
まあその後の助右衛門とお喜世の揉み合いは、役者が実の兄弟同士だから迫力があったなあ。
…つうか揉み合いと言うより取っ組み合いなんですけど!それより明らかにお喜世の方が強そうなんですけど!(笑)

本当の終盤、能舞台の場面は絵的にも大変風情があって歌舞伎の中でも好きな場面の一つ。
綱豊卿の衣装は「望月」の後シテ、ああもう最後の最後までカッコいいんだから!
…え?アンタが一番暴れているって?…ゴメンなさい。

ああやっとここまでまとまった。
実はこの後、本当に瑤泉院が出てくる「南部坂雪の別れ」が続くのですが、気がついたらまたしても長くなったのでエントリーを改めます。

『瑤泉院の陰謀』は今本当に終盤。
いやーそうくるか!の連続で、かつ第二部後半からずっと泣きっぱなしでした。
『元禄忠臣蔵』を観たおかげで、赤穂浪士の名前も大分耳慣れたし、正月からいいものを見た。
by piramasa | 2007-01-02 23:50 | 芝居感想