『ユタと不思議な仲間たち』感想 童心に帰れなかった…
ゴールデンウィーク休暇2日目の4月30日、『ユタと不思議な仲間たち』を観た。
…こう書くとさぞ余裕のある観劇だったように自分でも思えるが、さにあらず。
『ジキル&ハイド』千秋楽観劇の翌日…と書くと、途端にいつものワタクシのパターン(笑)。
連休前半とあって、客席はお子さんたちが多かった。
ユタの公演期間中、秋劇場にはどれぐらいの子ども用クッションがあるのだろう。
休演中の海劇場からクッションが「助っ人」にまわっていたら面白いなあ…、なんてことを考えたのは私だけ?
さてユタの初演の年に私は既に生まれていた(←カミングアウト)が、今回が初見である。
光枝さんのペドロ以外考えられないとおっしゃる方がいたり、初演のユタが飯野さんと知ってクラクラしたり…と私には伝説だらけのミュージカルだが、この日のキャストは個人的には悪くなかった。
そして30日のペドロ田代さんに泣かされた…、のは幾つか前で書いたとおり。
冒頭のシーンは、正直言って観るのが辛かった。
子どもってなんでああいういじめ方するんだろうなあ。
昔の自分を思い出してちょっと心が痛かった。
30日の悪ガキ軍団、女の子たちはともかく、男の子?たちは顔ぶれを確認した瞬間に思いました。
これは「悪ガキ」と言っていいのだろうか…と(殴)。
しかも前の週は大作が菊池さん…、この週からいきなりペドロだしなあ。
ところがいざ観てみると違和感がないから凄い。
特に大作の中村さん、昔は本当にやんちゃだったのでは…と思うぐらい、リーゼント?と学ランがよくお似合いでした。
『コンタクト』ならきっと「カネロニ!」の従業員だろうなあ。
小夜子の笠松さんはこれがデビューのようで、キャリアを見れば芸大大学院卒、おまけにルックスも可愛らしい。
…将来はクリスティーヌか?と思ったオペラ座好きの人、挙手願います(笑)。
声歌い方はキャリアにふさわしく安心して聴けたし、初舞台の初々しさが小夜子の役柄にマッチしていて微笑ましい。
…とここで終わらせたいが、南部弁のしゃべり方まで初々しいのはちょっと頂けなかった。
それとも台詞をしゃべるので精一杯だったのかしら?
田邊さんのユタ…、わーいるいる、こんな転校生!
田邊さんの大人の役しか観た事がない私には、目から鱗ものの化けっぷりがたまらない。
役者って凄いねえ。
ペドロ一家の皆さん、5人中3人が初役にも関わらず、ちゃんと「一家」だったのが良かった。
ゴンゾの西門宇翔さんは新人か?と思ってプログラムを見たら、…趙宇さんかい!
ああ、だから名前に「宇」の字が入っているわけね。
この日のヒノデロは道口さん、…想像どおりお似合いで(笑)。
男の声になった時があまりメリハリがなかったのが残念だが、それにしてもいい声だよなあ。
ルミエールをやった時の「Be Our Guest」の歌いだしが忘れられない私です。
で、実は一番注目していたのはペドロの田代さん。…こちらもいい意味で想像どおり。
小夜子が話題に上るたびに、漫画なら「ぽっ♪」と擬音がつくような恥じらい方とあの強面のギャップが最高です。いやー私、この親分好きだわ。
ストプレ畑の人だけに歌はどうだろう…とそれが心配だったが、…ああ大丈夫ですね。少なくとも私はセーフ!でした。
『鹿鳴館』クローズ後、一度はオペラ座でレイエをやってくれるものと思っていたのに登場しなかったのは、歌のレッスンでもしていたのかしら?
ところで事前に「(ダンジャの)増本さんより田代さんの足が細かった」との情報を仕入れていたのだが、…本当に細かったデス…。
一幕目は座敷わらしたちの自己紹介が中心のせいか、終わるのが随分早く感じられた。
元々子ども向けのミュージカルだけに、そこは飽きさせないように工夫されたんだろう。
二幕目、冒頭の青空教室はドリフのコントみたいで面白かった。ええ私、まんまとドリフ世代ですから(←またカミングアウト)。
ついでにヒノデロが大作の膝枕で休憩していた。好みのタイプらしい(笑)。
さすがにここで笑っていた子どもはいなかった…。
二幕目と言えば宙乗り、じゃなくてフライング!しかもただのフライングではないのが凄い!
山の天辺に行くのにフライングを使うとは、さすが劇団四季。
ここから後、かなり駆け足で話が進んでしまったのはちょっと残念だった。
ペドロ一家が別れを告げに来るのは、いくら座敷わらしたちが特別な力を持っていても突然すぎやしないかなあ。
「おいおい、展開早すぎだよ…」と思いながらも、「友だちはいいもんだ」は断然二幕目の方が泣ける。
助けあい支えあった人と別れるのが辛いのは、老若男女を問わないものです。
とどめは小夜子を見守るペドロのまなざし…でした。「見つめる」のではなく「見守る」。
ペドロの表情の優しさ切なさ、小夜子に想いが伝わった後の潔さ、それこそ手に取るように伝わってきて涙が止まらなかった。
…涙を拭きながらもヒノデロだけ女笠を被っているのに妙に納得した私です。
子どもの時に観ていれば違う感想を持ったと思うが、今の自分の感想は「自分のために親身になってくれる人が必ずどこかにいる」と言ったところだろうか。
自分が人の子の親になった時にどう思うかにも興味があるが、いかんせん今の私はそれ以前に問題があるしなあ…(汗)。
カテコがないかわりにキャスト全員がロビーに出てお見送りしてくれた。こう言うサプライズもたまにはいいね。
私はモンゼの岸本さんに握手してもらいました。岸本さんはちっちゃくて可愛いらしかった。
座敷わらしは歯がないというだけあって、きちんとお歯黒を塗っていたのが印象的でした。
【4月30日のキャスト】
ペドロ 田代 隆秀
ダンジャ 増本 藍
ゴンゾ 西門 宇翔
モンゼ 岸本 美香
ヒノデロ 道口 瑞之
ユタ 田邊 真也
小夜子 笠松 はる
寅吉 吉谷 昭雄
ユタの母 菅本 烈子
大作 中村 匠
一郎 遊佐 真一
新太 小川 善太郎
たま子 上原 のり
ハラ子 木村 仁美
桃子 石栗 絵里
今週の大作は菊池さんですね。
中村さんの南部弁も悪くなかったが、菊池さんの南部弁はいっそう滑らか?なことでしょう。
…菊池さんのペドロも観てみたいなあ。
…こう書くとさぞ余裕のある観劇だったように自分でも思えるが、さにあらず。
『ジキル&ハイド』千秋楽観劇の翌日…と書くと、途端にいつものワタクシのパターン(笑)。
連休前半とあって、客席はお子さんたちが多かった。
ユタの公演期間中、秋劇場にはどれぐらいの子ども用クッションがあるのだろう。
休演中の海劇場からクッションが「助っ人」にまわっていたら面白いなあ…、なんてことを考えたのは私だけ?
さてユタの初演の年に私は既に生まれていた(←カミングアウト)が、今回が初見である。
光枝さんのペドロ以外考えられないとおっしゃる方がいたり、初演のユタが飯野さんと知ってクラクラしたり…と私には伝説だらけのミュージカルだが、この日のキャストは個人的には悪くなかった。
そして30日のペドロ田代さんに泣かされた…、のは幾つか前で書いたとおり。
冒頭のシーンは、正直言って観るのが辛かった。
子どもってなんでああいういじめ方するんだろうなあ。
昔の自分を思い出してちょっと心が痛かった。
30日の悪ガキ軍団、女の子たちはともかく、男の子?たちは顔ぶれを確認した瞬間に思いました。
これは「悪ガキ」と言っていいのだろうか…と(殴)。
しかも前の週は大作が菊池さん…、この週からいきなりペドロだしなあ。
ところがいざ観てみると違和感がないから凄い。
特に大作の中村さん、昔は本当にやんちゃだったのでは…と思うぐらい、リーゼント?と学ランがよくお似合いでした。
『コンタクト』ならきっと「カネロニ!」の従業員だろうなあ。
小夜子の笠松さんはこれがデビューのようで、キャリアを見れば芸大大学院卒、おまけにルックスも可愛らしい。
…将来はクリスティーヌか?と思ったオペラ座好きの人、挙手願います(笑)。
声歌い方はキャリアにふさわしく安心して聴けたし、初舞台の初々しさが小夜子の役柄にマッチしていて微笑ましい。
…とここで終わらせたいが、南部弁のしゃべり方まで初々しいのはちょっと頂けなかった。
それとも台詞をしゃべるので精一杯だったのかしら?
田邊さんのユタ…、わーいるいる、こんな転校生!
田邊さんの大人の役しか観た事がない私には、目から鱗ものの化けっぷりがたまらない。
役者って凄いねえ。
ペドロ一家の皆さん、5人中3人が初役にも関わらず、ちゃんと「一家」だったのが良かった。
ゴンゾの西門宇翔さんは新人か?と思ってプログラムを見たら、…趙宇さんかい!
ああ、だから名前に「宇」の字が入っているわけね。
この日のヒノデロは道口さん、…想像どおりお似合いで(笑)。
男の声になった時があまりメリハリがなかったのが残念だが、それにしてもいい声だよなあ。
ルミエールをやった時の「Be Our Guest」の歌いだしが忘れられない私です。
で、実は一番注目していたのはペドロの田代さん。…こちらもいい意味で想像どおり。
小夜子が話題に上るたびに、漫画なら「ぽっ♪」と擬音がつくような恥じらい方とあの強面のギャップが最高です。いやー私、この親分好きだわ。
ストプレ畑の人だけに歌はどうだろう…とそれが心配だったが、…ああ大丈夫ですね。少なくとも私はセーフ!でした。
『鹿鳴館』クローズ後、一度はオペラ座でレイエをやってくれるものと思っていたのに登場しなかったのは、歌のレッスンでもしていたのかしら?
ところで事前に「(ダンジャの)増本さんより田代さんの足が細かった」との情報を仕入れていたのだが、…本当に細かったデス…。
一幕目は座敷わらしたちの自己紹介が中心のせいか、終わるのが随分早く感じられた。
元々子ども向けのミュージカルだけに、そこは飽きさせないように工夫されたんだろう。
二幕目、冒頭の青空教室はドリフのコントみたいで面白かった。ええ私、まんまとドリフ世代ですから(←またカミングアウト)。
ついでにヒノデロが大作の膝枕で休憩していた。好みのタイプらしい(笑)。
さすがにここで笑っていた子どもはいなかった…。
二幕目と言えば宙乗り、じゃなくてフライング!しかもただのフライングではないのが凄い!
山の天辺に行くのにフライングを使うとは、さすが劇団四季。
ここから後、かなり駆け足で話が進んでしまったのはちょっと残念だった。
ペドロ一家が別れを告げに来るのは、いくら座敷わらしたちが特別な力を持っていても突然すぎやしないかなあ。
「おいおい、展開早すぎだよ…」と思いながらも、「友だちはいいもんだ」は断然二幕目の方が泣ける。
助けあい支えあった人と別れるのが辛いのは、老若男女を問わないものです。
とどめは小夜子を見守るペドロのまなざし…でした。「見つめる」のではなく「見守る」。
ペドロの表情の優しさ切なさ、小夜子に想いが伝わった後の潔さ、それこそ手に取るように伝わってきて涙が止まらなかった。
…涙を拭きながらもヒノデロだけ女笠を被っているのに妙に納得した私です。
子どもの時に観ていれば違う感想を持ったと思うが、今の自分の感想は「自分のために親身になってくれる人が必ずどこかにいる」と言ったところだろうか。
自分が人の子の親になった時にどう思うかにも興味があるが、いかんせん今の私はそれ以前に問題があるしなあ…(汗)。
カテコがないかわりにキャスト全員がロビーに出てお見送りしてくれた。こう言うサプライズもたまにはいいね。
私はモンゼの岸本さんに握手してもらいました。岸本さんはちっちゃくて可愛いらしかった。
座敷わらしは歯がないというだけあって、きちんとお歯黒を塗っていたのが印象的でした。
【4月30日のキャスト】
ペドロ 田代 隆秀
ダンジャ 増本 藍
ゴンゾ 西門 宇翔
モンゼ 岸本 美香
ヒノデロ 道口 瑞之
ユタ 田邊 真也
小夜子 笠松 はる
寅吉 吉谷 昭雄
ユタの母 菅本 烈子
大作 中村 匠
一郎 遊佐 真一
新太 小川 善太郎
たま子 上原 のり
ハラ子 木村 仁美
桃子 石栗 絵里
今週の大作は菊池さんですね。
中村さんの南部弁も悪くなかったが、菊池さんの南部弁はいっそう滑らか?なことでしょう。
…菊池さんのペドロも観てみたいなあ。
by piramasa
| 2007-05-16 00:58
| 芝居感想