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四季中心の観劇ブログ、時々「競馬」と「デジイチ」に「関ジャニ∞」ネタ。
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秀山祭九月大歌舞伎昼の部感想② 亡き人の懐かしい台詞を思い出す

幕間に筋書(=プログラム)を見るのが楽しい。
最近の歌舞伎座の筋書きは当月出演の役者の意気込みとか思い出話を載せていて、サービスがよくなったなあ。
筋書きの中で一番ときめいたのは(笑)、信二郎・隼人の父子の激似ぶり。
隼人くん、お父さんに似ていい男で本当に良かったね。だって時蔵さんとこの坊ちゃんたちは、あまりにも父親似でないんだもの(汗)。
それにしても萬屋一門、御曹司花盛りで素晴らしいことです。別居報道が出ている獅童さんちのお坊ちゃんはどうなることやら…。

「引窓」が終わった後の幕間は30分。久々に歌舞伎座3階のカレーを食べる。べらぼうに美味しいわけではないが、昼間からビールが欲しくなる微妙な辛さとしょっぱさ加減が懐かしい。
しかしこれが充分な腹の足しになってしまい、「六歌仙」は別の意味で前ノメラーになるところだった…。この日に限ってちょっと寝不足だったらしい。



そんなわけで昼の部後半戦の感想。

【六歌仙】
…実は私、歌舞伎では舞踊が苦手です。
道成寺とか「新古演劇十種」クラスの大曲や変化物は大丈夫なのだけど、「六歌仙」みたいにペースが緩いのは途端に眠気が襲ってきまして…。
しかも前半の「業平小町」、業平はごひいきの梅玉(以下「高砂屋」)だったのに覚えているのは最後花道を引っこむところだけ。高砂屋はやっぱり声や台詞を聴かないと観た気がしないわ。
「文屋」は染五郎の奮闘ぶりが楽しめたが、なんか中途半端な印象が残る。大変失礼ながら、芯の役者よりゴツい官女さんたちの方が個人的に面白かった…。

話がそれるが、染五郎が来月大阪でやる狂言はとても食指が動く。
歌舞伎で衆道(つまり男色)の話なんて、大抵の女の子(「元」も含む)が好きそうな話じゃないですか。
しかもお相手が愛之助(学生時代の友人とは「愛ちゃん」呼ばわりしてます)とは、外角低めに極まるストライクって感じ。…来年前半あたり新橋でやってくれないかなあ。来月は首都圏から出られそうにないのよ(苦笑)。

【寺子屋】
これが一番の楽しみでした。
幸四郎の松王に吉右衛門の源蔵、魁春の戸浪、加えて神谷町(芝翫)が千代とあれば顔見世か正月興行かというぐらいの大顔あわせ。
…でも「引窓」より「あれれっ?」と思ったのが意外だった。

悪くはなかった。正確に言うと一人一人の単位で見れば。
しかし、まとまると何かかみ合わないと言う典型パターンだと思った。メイン全員あわせようとしているのがよくわかっただけに、ちょっと痛々しかった。

まず高麗屋。
私は高麗屋の松王で「寺子屋」を2回観ていたが、押さえ気味だったのが意外だった。これは千代役者が違うせいかしら。

播磨屋の源蔵。
「引窓」十字兵衛と似たような役柄こしらえながら、個人的にはこちらの方が好み。なんたって女房戸浪とは駆け落ちした仲、その色気がそこはかとなく漂っているのがたまらない。…舞台写真買っておけば良かった!
まったくの余談。
海老蔵が新之助時代に源蔵をやったのを観たが、こちらは色気を通り越して戸浪どころか千代まで押し倒しそうなのがおかしかった…←この感想、いいのか!

魁春の戸浪。
この人が一番空回りしていなかったように思う。いつ観ても出過ぎない芝居が頼もしい。ただ同じ石持の衣装の女房なら、戸浪より「吃又」のおとくの方がニンだとは思うが…。

神谷町の千代。
正直言うと、当たり前なのだが「歳とったなあ」と思った。
某様のところで「千代と源蔵の立ち回りの間合いがどうも…」と言う感想を読んで、「神谷町の歳考えたら播磨屋が調節しなくっちゃ」と思ったのだけど。どうもそんなレベルの話ではなさそうだ。
例えばその立ち回りで文庫から教本を源蔵に投げるところ。
教本がパーッと広がったところを源蔵が刀でハシッと止めるのが絵的にもキレイなのだけど、私が観た日はうまく広がらずにボトッと床に落ちたのが痛かった。
歳とったなりの見せ方や愁嘆場はさすがでした。これは声を大にして書いておきます。

で、ここで昔話をさせてください。
私が過去観た「寺子屋」で印象に残っているのは、亡くなった宗十郎(以下「紀伊国屋」)の千代。と言うか、紀伊国屋は私の人生初のごひいき役者なのです。
紀伊国屋の千代を見たおかげで、「寺子屋」で泣くようになったと言っても過言ではありません。大体バタバタで出てきた瞬間に涙腺が緩みますから。
源蔵との立ち回りの後、「菅秀才の御身替わり、お役に立ててくださんしたか…」で文庫の蓋を使って極まるところなんか、周りの迷惑顧みず鼻水すすりましたから。
…ああダメだ。紀伊国屋の声が甦ってきてまた涙が出そうだ。

幕切れの芝居がまた紀伊国屋らしかった。
杵が鳴った瞬間紀伊国屋は駕篭の方、つまり小太郎の遺骸の方向を向いている。
これに気がついた時は本当泣いたなあ。
「寺子屋」は絵面の見得で終わるから、本当は正面を向くのが決まりだとは知ってます。
わかっちゃいるけど、これは…このやり方はいいでしょう。

母親と花魁芸者の役が本当に似合う人だった。そして亡くなるのが早すぎた。ああ言う役者、今後は出てこないだろう。いまだにそう思う。

…珍しく感傷的に書きなぐってしまいました。
つまり昔のことを思い出す隙があった芝居だったと言うことです。
「寺子屋」は繰り返し上演されている演目だから…と大目に見てやってください。
そうそう、「寺子屋」の竹本は綾太夫と喜太夫、大顔合わせにふさわしい太夫が揃ったおかげで飽きることはなかった。特に喜太夫は相変わらず縦ノリな唸りっぷりが素敵。

いやー久しぶりに観たら感想が暑苦しくてかなわん!
そしてこんなに早々と感想がまとまるとは自分でも思わなかった(苦笑)。
最後までお読み頂いた方、ご精読ありがとうございました。
by piramasa | 2006-09-26 01:28 | 芝居感想