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四季中心の観劇ブログ、時々「競馬」と「デジイチ」に「関ジャニ∞」ネタ。
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『元禄忠臣蔵』第一部感想① さりげなく目の保養でした

25日は休日出勤の振替休みをもらって『元禄忠臣蔵』第一部を観てきた。
なにしろ「国立劇場開場四十周年記念公演」と銘打つ3ヶ月連続の通しの一月目、9月下旬には土日は全部売り切れていた。
1日に出勤することが決まった時、この振替は平日にして国立に行くぞ!と即決した私でした。

筋書きによれば『元禄忠臣蔵』の全編通しは史上初めてだそうで、しかも大石内蔵助の役者は月替わり。
なるほど、そりゃ歌舞伎好きな人間はわっと飛びつくわな。
それに10月の内蔵助は吉右衛門とあれば、普段歌舞伎を観ないおばさま方の集客も見込めるし。

そうそう、その筋書き(プログラム)のお値段は800円。
私が歌舞伎を観始めた当初(620円)からもちろん値段は上がっているが、今のご時勢でこのお値段はふところに優しくて大変ありがたい。
しかも歌舞伎座より中身が充実しているし…、ごほごほ。
過去に国立劇場で上演された『元禄忠臣蔵』の舞台写真が載っているが、先代(八代目)幸四郎の内蔵助、花道での姿表情のお見事なこと!
八代目を観たことのない私でも涙が出そうだった。名優は写真でも名優なんだなあ。
しかしここで上演台本(1,000円)を買ってしまっちゃあ、普段の芝居と出費が変わらない(苦笑)。
※歌舞伎で上演台本を売っているのは国立劇場だけ。
もっとも戯曲として読んでも読み応えがあるから後悔はしてません。



第一部の構成は「江戸城の刃傷」「第二の使者」「最後の大評定」。「殿中でござる」から赤穂城明け渡しまでと言った方がわかりやすいかも。
この日の席は3階の上の方ながら本当に真ん中。このあたりに座ると国立劇場は間口が広いのがよくわかる。
以下感想は場面を追って書きます。

【江戸城の刃傷】
いわゆる「殿中でござる」の場面がここ。
浅野内匠頭は私のご贔屓の一人、梅玉(以下「高砂屋」)丈。烏帽子に大紋姿がよく似合う。
…久しぶりに高砂屋の富樫観たいなあ。
さてしょっぱなから贔屓丸出しで書きます。
「癇癪もちの高貴な身分」の役がここまで似合う人もそうそういないのでは。
ただ見た目は「癇癪もち」に見えないけど…。
目付役の多門伝八郎は歌昇。この人の口跡の良さにはいつ観ても感服させられる。
加えて「内匠頭の味方と言うよりも御政道のあり方に異議を唱えたい」と筋書きでご本人が言うとおり、静かに熱い目付なのがたまらない。
この熱血さと口跡の良さがあいまって、御用部屋で加藤越中守に詰めよるところは聴き応えがあった。
ちなみに「多門」は「おかど」と読むそうな。名前の読み方って難しい…。

しかしその日のうちに切腹の命令が下るとは、多門伝八郎でなくとも暴れたくなります。
そう言えば内匠頭護送先の屋敷へ暇乞いにやってくる片岡源五右衛門は、どこで当日中の切腹を知ったんだろう。
携帯電話もインターネットもない時代に恐るべき情報網だこと。
その片岡源五右衛門、台本のト書きによれば「有名なる美男子にて、その時三十五歳」だそうで。
うわあ、信二郎にピッタリ!しかも彼は確か四十半ばを越えているはずだが、三十五歳以下でも充分納得できる容姿なのがすごい。
この場の内匠頭の衣装は麻上下(つまり死に装束)。
この格好はポスターにも登場しているが、遠目で見ると衣装は背景と同化しているのに鬢の黒さや月代の青さがやけに目だって怖かった…。こう言う衣装は舞台で観るに限りますな。

煩悩とツッコミはさておいて、伝八郎が「それ御覧なされ、明日は満月、見事な月ではござらぬか」とみえみえの取り持ちをして内匠頭と源五右衛門、無言の別れ。
無言なのがいい。しかも二枚目同士だから余計絵になる。
とどめに辞世の句を伝八郎が読みあげ、そして内匠頭自らが詠じて幕。しかも桜の花がハラハラと散りかかる。
…ものの見事に、私のツボにど真ん中ストライクな設定だわ。
かくして心のひだをコチョコチョくすぐられて「江戸城の刃傷」終了。
これで劇中遅れて入ってきた方々に視界を遮られなければなあ…。

【第二の使者】
ところ変わって5日後の赤穂城のお話。
「内匠頭の刃傷沙汰から城外の屋敷へ護送」までが「第一報」なので、その後の「第二の使者」を待っている…と言うわけ。
ここでやっと吉右衛門(以下「播磨屋」)の内蔵助が登場。しかも登場のしかたがニクい。
正面奥襖の陰から「ならぬと言え!」と正に鶴の一声を発し、そして現すその姿の大きいこと!
何故国立劇場で舞台写真を売ってないのか…と無茶を言いたくなる。
その後どさくさにまぎれて(語弊)赤穂城に入城させてもらった内蔵助の息子松之丞が登場。
松之丞は種太郎、聞けば御年十七歳とな。
声を張り上げざるを得なかった先月の杉王丸よりは、幾分声がきれいに出ていてホッとした。
しかも松之丞は十四歳と言う設定にも関わらず、台詞の多さ難しさは大人の役同然。
あたりまえだが、きちんと意味を理解して台詞をしゃべれているのは素晴らしい。
この経験が今後に活きますように。

さてお城勤めをしたいと言う松之丞の健気な心を内蔵助がバッサリ切り捨てた後、第二の使者、原惣右衛門と大石瀬左衛門が息も絶え絶えに登場。
特に瀬左衛門の亀寿、
皇居の周りをマラソンしてきたんじゃないかと思うぐらいぜえぜえやっていて、観ている私も思わず肩で息をしてしまった。
そりゃ内蔵助に「座を直せ!」と言われるはずだ。
それにしても亀寿と言い、ここには出ていないが兄貴の亀三郎と言い、この兄弟の美声と美丈夫ぶりは誰に似たのやら…。
ぜえぜえ言っている間、瀬左衛門をオペラグラスでガン見していたのは私です(笑)。
最後に京都留守居役の小野寺十内が朝廷の様子を知らせにやってくる。
「帝」のことを「貴き御御簾のうちよりのお言葉に…」という言い方をしていて、江戸時代はまだ「帝」とか「天皇」とか直接表現しないのね…と変なところで認識した私。
小野寺十内は歌六、この人の年寄りの役を観ようとは…。捌き役系のなりで観たかった。
しかし萬屋の役者の常、じじいでも口跡が良いのがせめてもの救い。

時の帝が内匠頭に同情していると知り、城明け渡しか篭城かの評定を始めようとするところで幕。
それにしても泣いたり怒ったり息切れしたり、内容の深刻さとは裏腹に賑やかな一幕だったこと…。

…あらら、まだ続きがあるのにまた長くなっちゃった。煩悩が入り混じるとダメですね(苦笑)。
そういうワケで「最後の大評定」はエントリーを改めます。
by piramasa | 2006-10-31 23:18 | 芝居感想