7月15日『レ・ミゼラブル』ソワレ感想① 私はギャップフェチ
7月15日ソワレ、席は1階A席上手サブセンター。
さすがにこのあたりだと、さしもの私もオペラグラスが手放せない。
ちなみにこの日照準を合わせたオペラグラスは、1週間後の歌舞伎座3階席で見事な活躍をしてくれました。
この日は客席に入ったら、オケピからバルジャンが馬車を持ち上げるところの曲が聴こえてきた。
いつもはてんでばらばらに音出ししているのに珍しいなあ。もしかしたらマチネでしくじったかしら?
なんか時代劇で上様が出てくる時にかかってそうな曲、と思ったのは私。
さてこの回は、ジャベール・ファンテーヌ・テナルディエと初見の方が3人揃った。
それ以外もお気に入りの人ばかりが揃ったのでこれは取っておくでしょう!と気合を入れて望んでみれば。
同じ日のマチネに観た『エクウス』の衝撃云々ではなく、観て良かったと心の底から思えるインパクトのある舞台だった。
まずは一番の目的、阿部さんのジャベール。略して「阿部ール」…だそうで?
お初のジャベールを観る時はいつも「囚人の歌」の「下向け奴隷のまま」あたりから息を詰める私。
大体このあたりでジャベールが登場するからでもあるが、
…うおっ!他のジャベールと明らかに雰囲気が違う。もっと言うと、違和感がない。←ほめてます
びびりながらも注目の第一声でこれまたビックリ。張り詰めた雰囲気とは裏腹に、随分柔らかい声だなあと思った。
さらにびびったのはそんないい声でありながらも、この人は間違いなくどん底から這い上がってきた人間だと感じられたこと。
「俺の名を」の「名を!」が台詞になっていたのが、ちょっと良かった。
しかも声は柔らか味があるのにドスが効いているのがいい。
どん底ジャベールが退場した後、「あなたの魂 私が買った」で既にハンドタオル出動。
さらに前回すっかり別所さんのバルジャンにまいってしまったので、「バルジャンの独白」はそのままハンドタオルを握りしめて見入っていた。
結果。「生まれ変わるのだ!」で拍手するのを忘れそうになるぐらい泣いてました。
あとで前日に買ったばかりの青のプログラムを読み返したら、別所さんが「今好きな歌詞」はちょうど「バルジャンの独白」の最後のフレーズ(「先も見えない…」以降)だそうで。
正に魂の叫びだったわけか。
場面変わって工場から波止場。
ファンテーヌの山崎さんは初見。シルビアが「芯の強い女」なら、山崎さんは「気の強い女」といったところか。
「殺してやるわあんたを」で本当にバマタモアを殺しそうなファンテーヌは初めて観ました(汗)。
でもファンテーヌは「気が強い」とか「強情」ぐらいでちょうどいいのかしら。市長になったバルジャンに詰め寄るところを観てそんなことを思った。
声も個人的に好みの声だし、仕草や立居振舞に細かく気を配っているのがわかるし、山崎さんのファンテーヌも結構いいかも。
ただ「夢破れて」でビブラートかけすぎなのが気になった。これは慣れるしかないかしら。
最近我ながら重傷だと思うのは、「名乗れば牢獄 黙っていても地獄」で涙腺が緩むこと。
ここで涙腺が緩むようになったのは間違いなく別所さんのせい…、いえいえおかげです。
あれだけ気の強いファンテーヌも最期は娘を思う母親なのが涙を誘う。
ここで「抱いて眠るまで」とせがまれたバルジャン、一瞬抱くのをためらった後、「目覚めたらあの子に会いに行くわ」でキュッと抱きしめたのですよ。
これを観た瞬間、私は猛烈に感動しました。
元々この場面は私の泣きどころのひとつなのだけど、この日はあまりの切なさに涙の量さらに倍!となりました。
別所さん、素敵…!
倍になった涙は直後聞こえてきたジャベールの、柔らか味のあるドスの効いた声で引っ込みました…。
阿部さんの声は低音になると凄みが増すと思った。
対して別所さんの声は高音域になると独特の響きがある。
この場面バルジャンとジャベールは歌詞が別々なのに、あまりにもバランスよく聞こえてきたので歌詞が別々であることをうっかり忘れていた。
かくして「対決」場面、個人的にはかなり聴き応えがあった。
それにしても別所さんの声は、誰がジャベールでも相性いいなあ。不思議。
そして阿部さんをオペラグラスでガン見しながら、「村井さんのジャベールってあんな感じだったのかなー」と昔に思いを馳せたのは私だけではないだろう…と思う。
さて初見3人目、安崎さんのテナルディエ。
…あまりの人相の悪さにビックリ!確実に前科3犯ぐらい食らってそう…。
さらにビビッたのはそんな人相の悪さにも関わらず、いい声だったこと。←大きなお世話
安崎さんがいい声の持ち主なのは去年の『十二夜』でわかっていたが、それでも…ねえ。
ただ「宿屋の主人の歌」は、私が徳井さんの声で慣れちゃったせいもあるが、そのいい声が逆にマッチしていなかったように思う。
「取引」の場面の方が良かったかな。歌える人だから、マダムのモリクミさんがとても歌いやすそうだったのが印象的だった。
ベガーズの場面で最近ツボに入っているのは、年寄りの娼婦と若い娼婦の罵りあい。特に若い娼婦の「古狐!クソばばあ!」の言い方が腰が据わっているのが楽しい。
この日のガブローシュくん、声が大きくて歌詞がはっきり聴こえるのが良かった。確か…原田光くん。そう言えば今日のアンジョルラスも原田さんですね。←むりやり!
ハイ、この日2番目の目的、山崎マリウスと原田アンジョ登場です。
登場する箇所見切りましたから、かまえるオペラグラスにも迷いがありません(笑)。
場面は飛んでABCカフェでもオペラグラス大活躍。
特に「マリウス、わかるけれど…」で机をはさんで2人で向かい合うところなんて、ガン見ですよアナタ(誰?)
もう…幸せです。美声同士のマリウスとアンジョルラス、バンザーイ!(壊)
ところでこの後ジャベールが登場した時、帽子をかぶっていたのにはビックリした。
これは阿部さんだけの演出?うーん、警部殿というよりは、どこかのマフィアのボスって感じ…。
失礼発言はさておきジャベール好きの私としては、初見の阿部さんが歌う「Stars」は何よりの注目でした。
聴き終わった感想、…前日にいい意味で譜面どおり歌う今さんのジャベールを観ていたので、実は阿部さんの歌い方にあるお方を連想してしまった。
そうね、例えて言うなら、高井さんのファントムを観た翌週に村さんのファントムを観たような感じ?
…私の場合、こう言うたとえをする時はイコールツボに入ったということです。
※四季そして『オペラ座の怪人』をご覧になっていないレミゼファンの方へ、わかりづらいたとえでごめんなさい。
初見の方中心に、一幕目の感想終了。
阿部さんに、山崎さんに、安崎さん、客観的に観れば好き嫌い分かれるであろう方々が揃ったと思う。
そして私は、幸運にもこのお三方はかなりツボでありました。
でも阿部さんと安崎さんは、明日、いえ今日で帝劇千秋楽なのが惜しい限り。
特に阿部さん、6月に1回は観ておけば良かった…。
その理由はエントリーを改めて語ります。…と言うワケで続く。
さすがにこのあたりだと、さしもの私もオペラグラスが手放せない。
ちなみにこの日照準を合わせたオペラグラスは、1週間後の歌舞伎座3階席で見事な活躍をしてくれました。
この日は客席に入ったら、オケピからバルジャンが馬車を持ち上げるところの曲が聴こえてきた。
いつもはてんでばらばらに音出ししているのに珍しいなあ。もしかしたらマチネでしくじったかしら?
なんか時代劇で上様が出てくる時にかかってそうな曲、と思ったのは私。
さてこの回は、ジャベール・ファンテーヌ・テナルディエと初見の方が3人揃った。
それ以外もお気に入りの人ばかりが揃ったのでこれは取っておくでしょう!と気合を入れて望んでみれば。
同じ日のマチネに観た『エクウス』の衝撃云々ではなく、観て良かったと心の底から思えるインパクトのある舞台だった。
まずは一番の目的、阿部さんのジャベール。略して「阿部ール」…だそうで?
お初のジャベールを観る時はいつも「囚人の歌」の「下向け奴隷のまま」あたりから息を詰める私。
大体このあたりでジャベールが登場するからでもあるが、
…うおっ!他のジャベールと明らかに雰囲気が違う。もっと言うと、違和感がない。←ほめてます
びびりながらも注目の第一声でこれまたビックリ。張り詰めた雰囲気とは裏腹に、随分柔らかい声だなあと思った。
さらにびびったのはそんないい声でありながらも、この人は間違いなくどん底から這い上がってきた人間だと感じられたこと。
「俺の名を」の「名を!」が台詞になっていたのが、ちょっと良かった。
しかも声は柔らか味があるのにドスが効いているのがいい。
どん底ジャベールが退場した後、「あなたの魂 私が買った」で既にハンドタオル出動。
さらに前回すっかり別所さんのバルジャンにまいってしまったので、「バルジャンの独白」はそのままハンドタオルを握りしめて見入っていた。
結果。「生まれ変わるのだ!」で拍手するのを忘れそうになるぐらい泣いてました。
あとで前日に買ったばかりの青のプログラムを読み返したら、別所さんが「今好きな歌詞」はちょうど「バルジャンの独白」の最後のフレーズ(「先も見えない…」以降)だそうで。
正に魂の叫びだったわけか。
場面変わって工場から波止場。
ファンテーヌの山崎さんは初見。シルビアが「芯の強い女」なら、山崎さんは「気の強い女」といったところか。
「殺してやるわあんたを」で本当にバマタモアを殺しそうなファンテーヌは初めて観ました(汗)。
でもファンテーヌは「気が強い」とか「強情」ぐらいでちょうどいいのかしら。市長になったバルジャンに詰め寄るところを観てそんなことを思った。
声も個人的に好みの声だし、仕草や立居振舞に細かく気を配っているのがわかるし、山崎さんのファンテーヌも結構いいかも。
ただ「夢破れて」でビブラートかけすぎなのが気になった。これは慣れるしかないかしら。
最近我ながら重傷だと思うのは、「名乗れば牢獄 黙っていても地獄」で涙腺が緩むこと。
ここで涙腺が緩むようになったのは間違いなく別所さんのせい…、いえいえおかげです。
あれだけ気の強いファンテーヌも最期は娘を思う母親なのが涙を誘う。
ここで「抱いて眠るまで」とせがまれたバルジャン、一瞬抱くのをためらった後、「目覚めたらあの子に会いに行くわ」でキュッと抱きしめたのですよ。
これを観た瞬間、私は猛烈に感動しました。
元々この場面は私の泣きどころのひとつなのだけど、この日はあまりの切なさに涙の量さらに倍!となりました。
別所さん、素敵…!
倍になった涙は直後聞こえてきたジャベールの、柔らか味のあるドスの効いた声で引っ込みました…。
阿部さんの声は低音になると凄みが増すと思った。
対して別所さんの声は高音域になると独特の響きがある。
この場面バルジャンとジャベールは歌詞が別々なのに、あまりにもバランスよく聞こえてきたので歌詞が別々であることをうっかり忘れていた。
かくして「対決」場面、個人的にはかなり聴き応えがあった。
それにしても別所さんの声は、誰がジャベールでも相性いいなあ。不思議。
そして阿部さんをオペラグラスでガン見しながら、「村井さんのジャベールってあんな感じだったのかなー」と昔に思いを馳せたのは私だけではないだろう…と思う。
さて初見3人目、安崎さんのテナルディエ。
…あまりの人相の悪さにビックリ!確実に前科3犯ぐらい食らってそう…。
さらにビビッたのはそんな人相の悪さにも関わらず、いい声だったこと。←大きなお世話
安崎さんがいい声の持ち主なのは去年の『十二夜』でわかっていたが、それでも…ねえ。
ただ「宿屋の主人の歌」は、私が徳井さんの声で慣れちゃったせいもあるが、そのいい声が逆にマッチしていなかったように思う。
「取引」の場面の方が良かったかな。歌える人だから、マダムのモリクミさんがとても歌いやすそうだったのが印象的だった。
ベガーズの場面で最近ツボに入っているのは、年寄りの娼婦と若い娼婦の罵りあい。特に若い娼婦の「古狐!クソばばあ!」の言い方が腰が据わっているのが楽しい。
この日のガブローシュくん、声が大きくて歌詞がはっきり聴こえるのが良かった。確か…原田光くん。そう言えば今日のアンジョルラスも原田さんですね。←むりやり!
ハイ、この日2番目の目的、山崎マリウスと原田アンジョ登場です。
登場する箇所見切りましたから、かまえるオペラグラスにも迷いがありません(笑)。
場面は飛んでABCカフェでもオペラグラス大活躍。
特に「マリウス、わかるけれど…」で机をはさんで2人で向かい合うところなんて、ガン見ですよアナタ(誰?)
もう…幸せです。美声同士のマリウスとアンジョルラス、バンザーイ!(壊)
ところでこの後ジャベールが登場した時、帽子をかぶっていたのにはビックリした。
これは阿部さんだけの演出?うーん、警部殿というよりは、どこかのマフィアのボスって感じ…。
失礼発言はさておきジャベール好きの私としては、初見の阿部さんが歌う「Stars」は何よりの注目でした。
聴き終わった感想、…前日にいい意味で譜面どおり歌う今さんのジャベールを観ていたので、実は阿部さんの歌い方にあるお方を連想してしまった。
そうね、例えて言うなら、高井さんのファントムを観た翌週に村さんのファントムを観たような感じ?
…私の場合、こう言うたとえをする時はイコールツボに入ったということです。
※四季そして『オペラ座の怪人』をご覧になっていないレミゼファンの方へ、わかりづらいたとえでごめんなさい。
初見の方中心に、一幕目の感想終了。
阿部さんに、山崎さんに、安崎さん、客観的に観れば好き嫌い分かれるであろう方々が揃ったと思う。
そして私は、幸運にもこのお三方はかなりツボでありました。
でも阿部さんと安崎さんは、明日、いえ今日で帝劇千秋楽なのが惜しい限り。
特に阿部さん、6月に1回は観ておけば良かった…。
その理由はエントリーを改めて語ります。…と言うワケで続く。
by piramasa
| 2007-07-31 00:31
| 芝居感想