12月3日 星組全国ツアーマチソワ顛末記① だって「ベルばら」だから
モタモタしているうちに星組全国ツアーが終わってしまいました。
次はとうこさんとあすかちゃんのサヨナラ公演か…、受け入れないといけませんね。
その前の現実逃避策として、今更ですが全国ツアーの感想をご披露させて頂きます。
そもそも横浜住まいの私が何ゆえ静岡のみ観劇で済んだかというと。
地元の神奈川公演は土日ということもあって見事に取れなかったからさ!(苦笑)
さすがは「ベルばら」、そして外伝の上演ともなると注目度が違います。
しかし私のモットーは、「観たいものは観る」。
そんなワケで休暇をもらって、平日の静岡に飛んだのでありました。
…しかもマチソワ(爆笑)。
夜の部はさすがに小中学生ぐらいの女の子の姿が目立ちました。
あの日一緒だった女の子たちの中に将来のタカラジェンヌがいればいいなあ…、と本気で願うワタクシでした。
まずは「ベルサイユのばら」から参りましょう。
宝塚を観たことがない「ベルばら」好きの友人に今回の外伝の話をしたところ、ものすごい食いついてきました。
ことほどさように、「外伝」で主人公になったお三方(ジェローデル、アラン、ベルナール)は妄想想像をかきたてる存在なのですねえ。
「ベルばら」の知識はたしなみ程度でしか持っていないので、お三方それぞれの描かれ方はお好きな方にお任せするとして。
そんな私でも、星組に「ベルナール編」をもってきた方のセンスは素晴らしいと思います。
直前にほぼ同じ時代が舞台の「スカーレット・ピンパーネル」を観ていたせいもあるかもしれません。
なんだか星組の皆さん、いい意味ですごくイキイキしていました。
とうこさんのベルナール、あすかちゃんのロザリーはもちろん素敵でした。
特にあすかちゃん、前から感じていましたが、「時間の経過」をこれだけ的確に表現できるジェンヌさんもそうそういないでしょう。
今回もベルナールと顔を合わせる直前と、ベルナールに子どもを授かったと告げるところで、同じ人物でありながらまったく雰囲気が違っていたのには脱帽しました。
次の公演でサヨナラなのは残念ですが、宝塚以外の舞台でこの演技力を観られるかもしれないなら…我慢しましょう。
さてこの「ベルばら」では、トップお二人以外の方々にも大いにウケてまいりました。
…いや、星組は皆さん芸達者ですから、観始めてからいつもウケてはいるんですが。
まずは冒頭の仮面舞踏会で宝石を盗まれた貴婦人たちの張り合いっぷり。
常々感心してはいましたが、今回は特に星組娘役さん方の芸達者ぶりに舌を巻きました。
それは台詞のしゃべり方間合いの取り方から、ぶわぶわのドレスを着ての身のこなし方までに至るすべてにおいて。
コスチュームプレイの多い星組ならではの場面だなあ、と思います。
とりわけカロンヌ夫人の朝峰さん、ステキすぎました…。
ステキと言えば。
涼さんのオスカル。
配役を知った瞬間に「これは絶対似合うでしょう!」と思いましたが、期待を裏切らないどころか、期待以上でした。
何がいいかって涼さんのオスカルは、「オスカルは女性である」ことを実感させてくれるのです。
「ベルばら」にとって、これほど重要なことはないと思います。
私が一番好きなのは、パリから戻ってきてマロングラッセに泣きつかれるところ。
肩肘張って男社会を生きるオスカルが少女に戻った瞬間、…和みます。
余談。夜の部の幕間で、「外伝全部観てきたけど、オスカルは今回が一番いい」という言葉が聴こえました。…素直に嬉しかったです。
そして立樹さんのアンドレ。
個人的に星組で一番、時代がかった衣装が似合うジェンヌさんだと思います。
ええ、アンドレも期待を裏切りませんでしたよ。
そういった風格もさることながら、今回の立樹さんは芝居のお上手さが光っていました。
その筆頭は、これまたオスカルがパリから戻ってきてマロングラッセに泣きつかれた後のただ一言。
「みんな、心配したぞ」(うろ覚えにつき台詞間違いはご容赦を)。
ベルナール編でのアンドレは、ベルナールに傷つけられた左目にずっと眼帯をつけています。
そしてこの場面では下手方向、つまり顔の左側を客席に向けています。
要するに客席の過半数の人間はアンドレの表情が見えないワケです。
私なんか昼夜共に2階で観ていたので、余計表情がわかりません…のはずでした。
でもね、アンドレがどれだけオスカルのことを心配していたかは、声の調子や全身の雰囲気から、手に取るように伝わってきました。
「ベルばら」の楽しみ方は数々あれど、オスカルに対するアンドレの愛はやはり「元おとめ」の憧れだなあ…と思います。
要するに何が言いたいかっつうと、
立樹アンドレの「横顔の演技」に「惚れてまうやろー!」と叫びたくなった女が約1名ってことよ。
さらにボソッと一言。
立樹アンドレと涼オスカルで、「ベルばら」オスカル編やってくれないかなあ。
きっと後半は号泣すること間違いないでしょう。
苦言を呈するならば、全国ツアーのため上演時間が1時間半弱ということもあり駆け足感が否めなかった。
一番の疑問符は、某様の感想と同じく「ベルナールとロザリーはいつ仲良しになったんだ?」
もっとも前述の友人に言わせると、「それは『ベルばら』の常識ということなのかも」…だそうで。
ちなみにアランが右腕を失ったのは、「ベルばら」ではなく「エロイカより愛をこめて」のエピソードだそうです。
大劇場公演と同じく休憩込み3時間であれば、ベルナールの人物像もじっくり掘り下げられたのかと思いながらも。
バスティーユ陥落の場面は、装置なし動きだけで見せるやり方もいいなあと目から鱗ものでした。
「ラ・マルセイエーズ」を使うのはやっぱりお約束…ってことかな。
ここは、にしき愛さんのロベスピエールがピカイチでした。
前述の朝峰さんと言い、上級生の方は一味違います。
…あら~、「ベルばら」だけでこんなに語ってしまったわ…。
ツッコミどころは多けれど、宝塚はステキだと改めて思ったのもまた事実。
何故ステキなのかはエントリーを改めます。
宣言:「ネオ・ダンディズム!Ⅲ」の感想は無駄に濃い…でしょう
次はとうこさんとあすかちゃんのサヨナラ公演か…、受け入れないといけませんね。
その前の現実逃避策として、今更ですが全国ツアーの感想をご披露させて頂きます。
そもそも横浜住まいの私が何ゆえ静岡のみ観劇で済んだかというと。
地元の神奈川公演は土日ということもあって見事に取れなかったからさ!(苦笑)
さすがは「ベルばら」、そして外伝の上演ともなると注目度が違います。
しかし私のモットーは、「観たいものは観る」。
そんなワケで休暇をもらって、平日の静岡に飛んだのでありました。
…しかもマチソワ(爆笑)。
夜の部はさすがに小中学生ぐらいの女の子の姿が目立ちました。
あの日一緒だった女の子たちの中に将来のタカラジェンヌがいればいいなあ…、と本気で願うワタクシでした。
まずは「ベルサイユのばら」から参りましょう。
宝塚を観たことがない「ベルばら」好きの友人に今回の外伝の話をしたところ、ものすごい食いついてきました。
ことほどさように、「外伝」で主人公になったお三方(ジェローデル、アラン、ベルナール)は
「ベルばら」の知識はたしなみ程度でしか持っていないので、お三方それぞれの描かれ方はお好きな方にお任せするとして。
そんな私でも、星組に「ベルナール編」をもってきた方のセンスは素晴らしいと思います。
直前にほぼ同じ時代が舞台の「スカーレット・ピンパーネル」を観ていたせいもあるかもしれません。
なんだか星組の皆さん、いい意味ですごくイキイキしていました。
とうこさんのベルナール、あすかちゃんのロザリーはもちろん素敵でした。
特にあすかちゃん、前から感じていましたが、「時間の経過」をこれだけ的確に表現できるジェンヌさんもそうそういないでしょう。
今回もベルナールと顔を合わせる直前と、ベルナールに子どもを授かったと告げるところで、同じ人物でありながらまったく雰囲気が違っていたのには脱帽しました。
次の公演でサヨナラなのは残念ですが、宝塚以外の舞台でこの演技力を観られるかもしれないなら…我慢しましょう。
さてこの「ベルばら」では、トップお二人以外の方々にも大いにウケてまいりました。
…いや、星組は皆さん芸達者ですから、観始めてからいつもウケてはいるんですが。
まずは冒頭の仮面舞踏会で宝石を盗まれた貴婦人たちの張り合いっぷり。
常々感心してはいましたが、今回は特に星組娘役さん方の芸達者ぶりに舌を巻きました。
それは台詞のしゃべり方間合いの取り方から、ぶわぶわのドレスを着ての身のこなし方までに至るすべてにおいて。
コスチュームプレイの多い星組ならではの場面だなあ、と思います。
とりわけカロンヌ夫人の朝峰さん、ステキすぎました…。
ステキと言えば。
涼さんのオスカル。
配役を知った瞬間に「これは絶対似合うでしょう!」と思いましたが、期待を裏切らないどころか、期待以上でした。
何がいいかって涼さんのオスカルは、「オスカルは女性である」ことを実感させてくれるのです。
「ベルばら」にとって、これほど重要なことはないと思います。
私が一番好きなのは、パリから戻ってきてマロングラッセに泣きつかれるところ。
肩肘張って男社会を生きるオスカルが少女に戻った瞬間、…和みます。
余談。夜の部の幕間で、「外伝全部観てきたけど、オスカルは今回が一番いい」という言葉が聴こえました。…素直に嬉しかったです。
そして立樹さんのアンドレ。
個人的に星組で一番、時代がかった衣装が似合うジェンヌさんだと思います。
ええ、アンドレも期待を裏切りませんでしたよ。
そういった風格もさることながら、今回の立樹さんは芝居のお上手さが光っていました。
その筆頭は、これまたオスカルがパリから戻ってきてマロングラッセに泣きつかれた後のただ一言。
「みんな、心配したぞ」(うろ覚えにつき台詞間違いはご容赦を)。
ベルナール編でのアンドレは、ベルナールに傷つけられた左目にずっと眼帯をつけています。
そしてこの場面では下手方向、つまり顔の左側を客席に向けています。
要するに客席の過半数の人間はアンドレの表情が見えないワケです。
私なんか昼夜共に2階で観ていたので、余計表情がわかりません…のはずでした。
でもね、アンドレがどれだけオスカルのことを心配していたかは、声の調子や全身の雰囲気から、手に取るように伝わってきました。
「ベルばら」の楽しみ方は数々あれど、オスカルに対するアンドレの愛はやはり「元おとめ」の憧れだなあ…と思います。
要するに何が言いたいかっつうと、
立樹アンドレの「横顔の演技」に「惚れてまうやろー!」と叫びたくなった女が約1名ってことよ。
さらにボソッと一言。
立樹アンドレと涼オスカルで、「ベルばら」オスカル編やってくれないかなあ。
きっと後半は号泣すること間違いないでしょう。
苦言を呈するならば、全国ツアーのため上演時間が1時間半弱ということもあり駆け足感が否めなかった。
一番の疑問符は、某様の感想と同じく「ベルナールとロザリーはいつ仲良しになったんだ?」
もっとも前述の友人に言わせると、「それは『ベルばら』の常識ということなのかも」…だそうで。
ちなみにアランが右腕を失ったのは、「ベルばら」ではなく「エロイカより愛をこめて」のエピソードだそうです。
大劇場公演と同じく休憩込み3時間であれば、ベルナールの人物像もじっくり掘り下げられたのかと思いながらも。
バスティーユ陥落の場面は、装置なし動きだけで見せるやり方もいいなあと目から鱗ものでした。
「ラ・マルセイエーズ」を使うのはやっぱりお約束…ってことかな。
ここは、にしき愛さんのロベスピエールがピカイチでした。
前述の朝峰さんと言い、上級生の方は一味違います。
…あら~、「ベルばら」だけでこんなに語ってしまったわ…。
ツッコミどころは多けれど、宝塚はステキだと改めて思ったのもまた事実。
何故ステキなのかはエントリーを改めます。
宣言:「ネオ・ダンディズム!Ⅲ」の感想は無駄に濃い…でしょう
by piramasa
| 2008-12-14 00:04
| 芝居感想